その言葉は蜜より甘く
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部屋の扉が音もなく開き、何事もなかったかのようにすっと閉められる。姿形は見えずとも感じる、誰かが入ってきたという気配。無論、何らかの魔術的な力が働いているであろうことに疑いはないが、大司教たる私の自室にはいつも鍵がかけ … [Read more…]
「あ、ハン・アンム!」 いつもより少し遅くヤートから出てきた僕を、親友のヤントゥスがすぐに見つけて声をかける。毎日一緒にグアーの世話をしているんだから、それ自体は別に不思議なことじゃない。でも……。 「昨日ネレヴァリン … [Read more…]
その人が過去も現在も配偶者や恋人と言った存在を持たなかったのは、単に恋愛やそれに類する感情に興味がないからだと思っていた。多くの人がどんなに望んでも手に入らない高位の貴族の肩書きを持ちながら、自分の研究を優先するために … [Read more…]
その娘をいつから気にするようになったのか、はっきりとしたことは覚えていない。位の低い魔術師が使い走りにやって来ることはそう多くもないとは言え、決して珍しいものではなく、また私は特にそれを頑なに追い返していたというわけで … [Read more…]
を後見することにした時、私は少し期待できる手駒が増えた程度にしか思っていなかった。今となっては笑い話にしかならないが、彼女の素質自体は悪くないにせよ、その頃はまだ頼りないとしか言えないスキルしか身につけてはいなかったか … [Read more…]
奇妙なほど真剣な顔をしたがアルヴス・ドレレンを訪れ、私に向かって愛しているなどと世迷い言を口にした時、私はその告白を一蹴し、くだらぬ戯言など聞かせるなと答えた。 その時の私はあの娘のことを見誤っていたのだろう。泣くな … [Read more…]
脱力したままの身体を起こし、私は片手で灯火の魔法を点ける。すぐ隣でぐったりと横たわっているに目を向ければ、我ながら眉を顰めずにはいられないほどの痕があちこちに散っていた。 首筋に、鎖骨の下に、二つの丸い胸の膨らみの上 … [Read more…]
「お前、と言ったか。覚えておけ、ドゥーマーどもは議題に関する興味も理解力もない者との議論を拒んだそうだ」 バラダスさんと初めて会った時、ドゥーマーの消失に関して尋ねた私に返された答えはこうだった。続けて尋ねた二つの質問 … [Read more…]
私が書き物をしている机の上に、いつの間にか窓から夕陽が差し込んでくる。昼食を摂った後すぐに羽根ペンを手にしたことを考えると、いつの間にかずいぶんと長い時間が過ぎ去ってしまっていたようだ。 「……?」 私はこの小さいが … [Read more…]