自分に嘘はつきたくない
どれほど長く生きていようとも、世の中には思いもかけぬ出来事がある。ある日突然我が塔を訪れた、ブレトンの小娘との出会いもまた然りだ。 不意にこの場に姿を現し、例え私がまともに答えたところで理解もできなかろうくだらぬ問いか … [Read more…]

どれほど長く生きていようとも、世の中には思いもかけぬ出来事がある。ある日突然我が塔を訪れた、ブレトンの小娘との出会いもまた然りだ。 不意にこの場に姿を現し、例え私がまともに答えたところで理解もできなかろうくだらぬ問いか … [Read more…]
「──え?」 ぱちりと目を開けると、何だか見覚えのある天井。けれどこんな角度からそれを見たことはあっただろうかと考えるより先に、すぐ側から言葉が降ってくる。 「ようやく気がついたか、。気分はどうだ」「バラダスさん? 気 … [Read more…]
「…… 」「はい、何でしょう」「いい加減に意地を張るのはやめて、アルヴス・ドレレンへ行ったらどうだ」「嫌です」 私の被せるような即答に、エナールさんは閉口する。マスター・バラダスの代理人のエナールさんと、マス … [Read more…]
長らく孤独を愛し日々を過ごしてきた我が身ではあるが、ここ最近その心境に微かな変化が生じ始めている。来訪者を拒みはせぬものの歓迎もしない我がヴェロシの塔へと、暇さえあれば通ってくる奇妙なアウトランダーが現れたのだ。 それ … [Read more…]
「雷の精霊の召喚を教えてほしい?」「はい。もしバラダスさんさえよろしければ、実演して見せていただけると大変勉強になります」「お前の師はアリョンの若造であろう。聞く相手を間違えているのではないのか、」 グニシスの外れに立 … [Read more…]
こんなことはあり得ない。あってはならない。我が義兄弟にして誰よりも近しい唯一無二の朋友、インドリル・ネレヴァルの名を騙る者にこのヴォリン・ダゴスが破れることなど。 アッシュランダーの狂信が生んだネレヴァリンと言う形代は … [Read more…]
「ワーボットアリーナ?」「はい。モーンホールドのイグナティウスさんが──あ、オートマトンに地下室に閉じ込められていた方ですが、今度はヴィヴェクの闘技場で参加者を募ってセンチュリオン同士を競わせるトーナメントを行うそうです … [Read more…]
その日アルヴス・ドレレンに着くなり、私はバラダスさんに顔色が悪いと言われた。確かにここ最近きちんと寝られているとは言い難かったけれど、自分が見た目にわかるほど不健康な有り様をしていて、かつそんな姿を一番見られたくない相 … [Read more…]
「公爵、まずいことになっています」「どうした、またイルメニが奴隷解放のデモ行進でも始めたか。それともオルヴァスが度重なる脱法行為でついに討伐対象にでもなったか」「どちらでもございません。貴方様とネレヴァリンのことについて … [Read more…]
レッドマウンテンの悪魔は滅び、この地には再び平和が取り戻された。現人神が神性を失い、またヴィヴェク卿が宮殿より姿を消した混乱が収まりつつあった頃、私はひっそりと大司教の座を退き、人里離れた庵で独り祈りの日々を過ごしてい … [Read more…]