Into the Light

 繰り返し何度も見る夢、それはいつもこのヴィヴェクの聖堂の中だ。私の前には険しい顔をしたサリョニ大司教が立っていて、夢の中の私は指一本動かすこともできずに続く言葉を聞く。あの時、私が全てを失った瞬間に耳にしたのと同じ言葉 … [Read more…]

I want you

 バラダスさんに想いを打ち明け、またそれを受け入れてもらってから、もう数週間の時が経った。会いに行けばバラダスさんはいつでも私を歓待してくれるし、優しく頭を撫でて抱きしめてくれる。  でも私が求めない限りバラダスさんから … [Read more…]

First Kiss

 私が弟子になってからというもの、アリョンさんは忙しくしている合間を縫ってよく面倒を見てくれていたと思う。ダンマーでもなく素性もはっきりしないアウトランダーの私を、数合わせとは言え引き込みたいほど追い詰められていたという … [Read more…]

Love me tender

 エラベニムスンの族長、ハン・アンムさんは私の恋人だ。他のアッシュランダーの族長は年長で強面な人も多いのだけれど、ハン・アンムさんはまだ若く、そしてとても温和で優しい。あまり戦士としての気質には恵まれていなかったからか、 … [Read more…]

Destiny

「族長。スル・マトゥール。話がある」「話?」「あの娘はまだ眠っている。お前のヤートで話すがよかろう」  自身のヤートから出てくるなり、賢女ニバニは私にそう言った。常日頃から変わらぬ無表情のまま、ニバニは私の前をつかつかと … [Read more…]

Deal of Life

「お前もつくづく阿呆な女よな」  私の前で胡座をかいて座っている人はどこかおもしろそうにそう言った。 「確かにお前はテルヴァンニの貴族だ。それもマスター・ウィザードの一人とくる」  残り少ないゴブレットの中身を飲み干し、 … [Read more…]

Cheat You !

「ありがとうございます、わざわざ部屋まで送っていただいて」「気にするなよ。師匠に何かあったら困るのは俺も同じだからな」  スランの町、その唯一の宿屋の中。俺は所用で出向いたミストレス・の付き人としてここに同行した。ボディ … [Read more…]

Femme Fatale 2

「バラダスさん……ありがとうございます。私、今とても幸せです」  行為を終えた後、私の腕の中に身を預けたままあの娘はそう言った。あの娘のこんなに嬉しそうな顔を見たことは後にも先にも1度もなかった。あの娘はその時確かに、愛 … [Read more…]

Femme Fatale 1

 あの娘がこの場を走り去った日からもうしばらくの時が経った。もはや再び顔を合わせることもない相手のことなど忘れてしまえばいいものの、どうやらそれを達成するまでにはまだだいぶ時間がかかるらしい。  手元の本を読んでいる間も … [Read more…]