竜の血脈
ある晴れた日、イヴァルステッドを流れる川にかかる橋の上に1人の男と1人の少年の姿があった。 「うわ……いつ見てもすごい山。母さん、本当に7千段も登るのかな」 歳の頃10を数えようかというその少年は巡礼地を戴く高い山を … [Read more…]

ある晴れた日、イヴァルステッドを流れる川にかかる橋の上に1人の男と1人の少年の姿があった。 「うわ……いつ見てもすごい山。母さん、本当に7千段も登るのかな」 歳の頃10を数えようかというその少年は巡礼地を戴く高い山を … [Read more…]
ソウル・ケルンの混沌の中、ダーネヴィールは石壁の上から首をもたげる。命ある者、それも馴染みのある匂いを感じて。 「ダーネヴィールさん、ここでお逢いするのは久しぶりですね。お元気でしたか?」 抱いた期待通り、馬の霊に乗 … [Read more…]
「誰だ! ――と、お前か」「こんばんは、デルムスさん」 灯台の火の番を任されていたその日、夜も更けたところで塔の上にが足音を忍ばせ姿を見せた。 「お仕事お疲れさまです。兵舎の方からあなたがこちらにいらっしゃると聞いたの … [Read more…]
武勲を是とする家に生を受けながら、私はある優秀なブレトンの魔術師に命を救われた。それもまだうら若い、可憐な女性に。戦士としての教えを受けてきた身としてはいささか複雑な心境ではあったが、同時にそれが彼女だったことに喜びを … [Read more…]
魔術師同士の戦いは向かい合った時には既に終わっている、という説に私は賛成の立場を取る。戦場で剣や斧を振り回すだけが必ずしも優位を意味するわけではないように、単純な腕力で劣る我々の勝負はそれよりも前から始まっているものだ … [Read more…]
「いい加減にもうやめておけ、。お前がどう頼もうと今夜はこれ以上酒は出さないぞ。ほら、店じまいだ」 ソルスセイム、レイヴン・ロック、レッチング・ネッチ――そのバーのカウンターで。スジャンマ、フリンはもちろんマッツェやシェ … [Read more…]
「ありがとうございます、わざわざ部屋まで送っていただいて」「気にするなよ。師匠に何かあったら困るのは俺も同じだからな」 スランの町、その唯一の宿屋の中。俺は所用で出向いたミストレス・の付き人としてここに同行した。ボディ … [Read more…]
「バラダスさん……ありがとうございます。私、今とても幸せです」 行為を終えた後、私の腕の中に身を預けたままあの娘はそう言った。あの娘のこんなに嬉しそうな顔を見たことは後にも先にも1度もなかった。あの娘はその時確かに、愛 … [Read more…]
あの娘がこの場を走り去った日からもうしばらくの時が経った。もはや再び顔を合わせることもない相手のことなど忘れてしまえばいいものの、どうやらそれを達成するまでにはまだだいぶ時間がかかるらしい。 手元の本を読んでいる間も … [Read more…]